広告主参加作品の部

◇選評

アートディレクター 服部一成

「新聞広告は問う」


 最高賞のいすゞ自動車は、南極観測船「しらせ」の大きな赤い姿が印象的だ。だが、主役はその横に小さく写るトラックと雪上車と隊員たちのほうなのだ。いすゞ自動車の技術と人材が南極観測に長く貢献してきたことを伝える広告だが、「極地も、職場。」というキャッチコピーと見開き全面の作業風景は、一企業の活動を越えて、なぜこんな過酷な地に人は行くのか、労働とは何か、技術とは何か、という大きな問いを投げかけてくる。
 優秀賞「あなたの思う福島はどんな福島ですか?」は、震災から五年と一日目に掲載された。「福島県という名前を変えないと、復興は難しいのではないかと言う人がいます。」で始まる文章は、福島の現在の日常を知ってほしいと語り、お礼の言葉で終わっている。キャッチコピーとは別の問いも浮かんでくる。なぜ福島県が広告を出さなければならなかったのか。この穏やかな文面が訴えているものは何か。ここに書かなかったこと、書けなかったことは何か。宝島社「死ぬときぐらい好きにさせてよ」は、樹木希林という名優の口を借りて死生観を語る。なぜ新聞広告が死生観を語るのだろう。広告とは何かということ自体を問うている。JR東日本「行くぜ、東北。」は震災の翌年から続くキャンペーンだ。小さな文字で「海の光、緑の風、夏の匂い。」とある。読者は、素朴な列車の絵の向こう側にそれぞれの盛夏の風景を思い描き、こんな声を聞く。あなたは最近、東北に行きましたか。

広告主参加作品の部 最高賞

◇ いすゞ自動車株式会社
南極 篇/極地も、職場。

30段カラー
CD,C=矢谷 暁 CD=中島祥文 AD,D=林 俊美
D=相賀翔太 レタッチ=工藤美樹

広告主参加作品の部 優秀賞

◇株式会社宝島社
企業広告/「死ぬときぐらい好きにさせてよ」

30段カラー
ECD=古川裕也
ゼネラルCD=磯島拓矢 AD=宮下良介 C=太田祐美子
AcE=島田裕一郎 AcE=吉田妃佐子 CPr=山下けい子
Pr=羽鳥貴晴 Pr=中村圭吾 P=加藤純平
D=ササ木陽子 A=小林康秀 St=澤田石和寛
照明=東元丈典 H&M=酒井夢月 キャスティング=増田恵子
レタッチ=望月洋輔

◇東日本旅客鉄道株式会社
行くぜ、東北。/SLOW TRAIN, SLOW LIFE.


15段カラー
CD=高崎卓馬  AD=八木義博  C=一倉 宏
C=坂本和加  D=畠山大介  D=藤田将史
CPr=和田耕司  AcE=奈村 直  I=フィリップ・ワイズベッカー 
アーティストエージェント=貴田奈津子  プリンティングディレクター=田村慎也

◇福島県
福島県復興広告/あなたの思う福島はどんな福島ですか?


15段カラー
CD,C=箭内道彦 CD,C=並河 進 AD=熊谷由紀
D=鈴木沙織 D=勝山進太朗 D=鵜沼美沙
Pl=平井真央 Pl=佐久間広人 Pl=鈴木晴香

広告主参加作品の部 毎日新聞社特別賞※

◇明治ホールディングス株式会社
明治グループ創業100周年企業広告/明治グループ100周年 ご当地パレード





15段カラー 5本支社切り替え
CD=高橋秀明 AD=三近 淳 C=石田文子
Pr=山口真由美 I=Andrew Joyce D=本多修三
D=松本 葉

広告主参加作品の部 部門賞

◇食品/キリンビール株式会社
◇出版/株式会社講談社
◇化粧品、薬品、ファッション、生活用品/株式会社 資生堂
◇電機、精密電器、事務機、情報通信/パナソニック株式会社
◇自動車/ 本田技研工業株式会社
◇旅行、運輸、流通、サービス/株式会社三越伊勢丹ホールディングス
◇映画、興行、放送/ にしのあきひろ
◇金融、住宅、不動産/ 野村ホールディングス株式会社
◇エネルギー、産業/鹿島建設株式会社
◇官公庁、団体、教育/学校法人東洋大学

広告主参加作品の部 企画賞

◇パナソニック株式会社 

広告主参加作品の部 準部門賞

◇食品/味の素株式会社
◇出版/株式会社集英社
◇化粧品、薬品、ファッション、生活用品/株式会社龍角散
◇電機、精密電器、事務機、情報通信/東日本電信電話株式会社
◇自動車/ 株式会社トヨタマーケティングジャパン
◇旅行、運輸、流通、サービス/東京地下鉄株式会社
◇映画、興行、放送/ 株式会社TBSテレビ
◇金融、住宅、不動産/ 東京海上日動火災保険株式会社
◇エネルギー、産業/JXTGエネルギー株式会社
◇官公庁、団体、教育/学校法人近畿大学
※「毎日新聞社特別賞」は毎日新聞社が推薦し、審査員の承認を経て選ばれます。
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